産業医って何？ 産業医の重要な役割とは？
実際の現場で、「産業医」が具体的に何をしているかご存知でしょうか。医務室にいる医師…？というイメージがあるかもしれませんが、ここでは、産業医の重要な職務について、ご紹介していきます。
産業医とは？
産業医とは、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。
（出典：日本医師会 http://www.jmaqc.jp/sang/occupational_physician/）
産業医というのは、大きな会社のみ設置しているわけではありません。一定の規模の事業場には、選任することが義務付けられており、義務の対象である事業場で産業医が選任されていない場合、罰則もあります。
事前に対処していれば防ぐことができた労災が発生してしまった場合など、刑事事件にまで発展する可能性もあります。産業医は、専門的な知識について、法律で定める一定の要件を満たしていなければいけません。
医師免許を持っていれば誰でもなれるというものではなく、別途研修等を受講して修了することなど、要件が定められています。また、要件を満たすだけではなく、事前予防の観点からも、労務分野で経験が豊富な産業医を選任することが重要です。
産業医の職務とは？
産業医の代表的な職務には、以下のようなものがあります。
産業医の職務は、労働安全衛生規則第14条第1項に規定されており、具体的には次の事項で、「医学に関する専門的知識を必要とするもの」と定められています。
（出典：日本医師会 http://www.jmaqc.jp/sang/occupational_physician/）
1. 健康診断及び面接指導等（法第66条の8第1項に規定する面接指導及び法第66条の9に規定する必要な措置をいう）の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
2. 作業環境の維持管理に関すること。
3. 作業の管理に関すること。
4. 前3号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
5. 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
6. 衛生教育に関すること。
7. 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
また、産業医の職場巡視等について、労働安全衛生規則第15条第1項で次のとおり定められています。
産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害なおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
産業医は面談するだけではなく、従業員の健康管理のために、様々な取り組みにもアドバイスを行います。職場巡視を行い、必要な措置を講じますが、場合によっては、労働者の健康を確保するため、事業者に勧告を行い、事業者はそれを尊重することとされています。
2017年には、産業医制度の見直しが行われました。
産業医が必要な措置を講じるため、情報収集の在り方といった、産業医が職務をより効率的かつ効果的に実施できるように見直しが実施されています。
具体的には、健康診断の事後措置に必要な情報の提供、長時間労働者に関する情報の提供、定期巡視等産業医の情報収集の見直し等について定められ、事業者は、産業医に対して、産業医活動に必要な情報を速やかに提供することとされました。
事業者も産業医と連携して、対応していくことが求められています。他には、事業者から産業医に所定の情報が毎月提供される場合には、産業医の作業場の巡視の頻度を、毎月１回以上から、２か月に１回以上にすることが可能（巡視の頻度の変更には事業者の同意が必要）となりました。
このように、法律も年々変わっていっておりますので、継続的に確認して対応していくことが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これからの労務管理では、事後管理だけではなく、事前予防の取り組みが重要になってきます。
弊社の産業医は、働きやすい職場環境を整備していくために、より適切なアドバイスを行うコンサルティング機能も担っており、健康の保持、増進を図りながら、事前予防の分野でも寄り添った対応が可能です。
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