メンタルヘルスを維持するために~日々の食事を大切に~

 これまでこのコラムでは、マインドフルネスやストレス解消法などについて書いてきましたが、今回は基本に返って食事の大切さについて考えていきたいと思います。

●食事は心の健康にどうして重要?

 「体は食べたものでできている」とは、昔からよく言われてきた言葉です。脂っこい食べ物ばかり食べている人には肥満や血圧の高い人が多く、栄養バランスが取れていないと免疫力が落ち、顔色が悪く年老いた印象になります。肥満やバランスの悪い食事を続けていると、腸内環境が悪くなりイライラしやすくなるなどメンタルにも影響を及ぼします。このように日々の食事は私たちの精神的な健康に大きく関係しているのです。

●どのような食生活がいいのか?

 基本となるのは、炭水化物・タンパク質・脂質のバランスの取れた食事です。その上で、以下のような栄養素を含む食材を献立に取り入れていくのが良いでしょう。

・気分や感情をコントロールして、心の安定を保ってくれる「セロトニン」

 セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。トリプトファンは体内では生成されないので、食事から摂る必要があります。トリプトファンが多い食材は:

-大豆製品(豆腐・納豆・味噌・醤油など)

-乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルトなど)

-炭水化物(お米など)

・貧血を防いでくれる「鉄分」

 鉄分が不足し貧血になると、疲れやすい、ぼーっとする、イライラするといった症状が出ます。特に女性は、月経や妊娠・出産などのライフイベントによって鉄分不足になりがちです。鉄分を多く含む食材は:

-肉や魚などの動物製品に含まれるヘム鉄(あさり、豚レバー、牛肉ヒレ、まいわしなど)

-野菜、豆、芋、卵や乳製品に多く含まれる非ヘム鉄(ひじき、小松菜、納豆、大豆など)

・腸内環境を整えてくれる「発酵食品」

 精神の安定とおなかの調子は密接に関係しています。腸内環境を整えるには、善玉菌と悪玉菌のバランスを良好に保つことが重要です。そのためには発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを意識して摂ることが大切です:

-発酵食品(ヨーグルト、チーズ、キムチ、味噌、甘酒など)

-食物繊維(キウイ、りんご、オクラ、ホウレン草、さつまいも、きのこ、わかめなど)

-オリゴ糖(きなこ、いんげん、ごぼう、小豆、玉ねぎ、ハチミツ、バナナ、にんにくなど)

●食生活をメンタルヘルスケアとして考える

 ついないがしろにしてしまいがちな日々の食事ですが、食事はメンタルヘルスの維持に不可欠なもの。そして社員のメンタルヘルスは生産性の向上に大きく関係しています。

「社員の食事にまで気を遣っていられないよ」という企業の方も多いかと思いますが、例えば食事に関する研修をする、メンタルヘルスケアの一環として栄養士の意見を取り入れるなど、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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