女性が働きやすい会社とは?

~性差に対応する会社・社会を~

 女性の活躍推進―もう長いこと社会の課題として取り上げられているテーマです。その成果もあって、産休や育休、テレワークなどに限らず、妊活支援や保育園補助、子連れ出勤制度を実施する企業も出てきています。こういった制度ももちろん大切なのですが、一方で自分自身を振り返ってみると、働く上でPMSや生理時の不調によってうまくパフォーマンスを発揮できなかった経験があります。「女性が働きやすい社会」を求めるなら、こういった女性特有の不調にもフォーカスしていく必要があるのではないか…そんな思いから、今回は「性差」を考え、企業としてできることはないのかを探っていきたいと思います。

●真の公平とは?「ないもの」として扱われている女性の生理

 社会、特に企業という組織は長いこと男性主体でつくられてきました。近年、労働力として女性に期待が寄せられ、キャリアを構築する機会や待遇の平等化が進んだことは大きな進歩だと言えます。しかし全てを「男性と同じように」平等にすることが、本当に「公平」なのかは疑問が残ります。女性には生理があり、男性には生理もPMSもないのですから…。

 女性に生理があるのは周知の事実なのに、会社の中では、まるで「生理」という存在がないものかのように扱われています。それは男性に限らず、女性自身も会社の中では「自分に生理というものはない」としているような、生理による不調があっても誰にも言わずひたすら我慢するような、また、そうするのが当たり前といった風潮があります。それは、生理をタブー視する社会・男性主体の会社の名残によるものと考えられます。

 ある試算では、PMSや生理痛など生理に伴う症状が原因の労働損失は年間4900億円にも上るという報告があります。真に女性の活躍を考えるのであれば、男性と女性の全てを同じように考えるのではなく、女性には生理があることを受け止め、男女の身体的・生理的な違いに対応した会社・社会をつくっていくことが大切なのではないでしょうか。

●女性の働きやすさを求めるためにできること

 では、企業として一体どういったことができるのかを考えていきます。キーとなるのは、「生理をタブー視せずに、つらいときはつらいと言える」ということだと思います。

そのためにできることとして:

生理についてオープンに語れる環境づくり

男女とも、お互いの性を理解する機会の提供

生理休暇をPMSの時にも使えるようにする、生理やPMS時には必要に応じて在宅勤務に切り替えられるようにする

などが挙げられます。

●男女とも互いを理解し合おうとすること。女性が働きやすい会社を目指す

「その日は生理前だから別の日にプレゼンしたい」「前回は私の生理周期を優先してもらったから、今回はそちらのコンディションを優先させよう」こんな具合に生理について話せる、生理の周期に合わせて仕事ができる、そうなれば女性はずいぶんと気を楽にして仕事に臨むことができるようになります。

 ここまで女性の「性」について述べてきましたが、それを理解してもらうためには女性側も男性の「性」を理解しようとする必要があります。互いに理解し合おうという姿勢が、お互いを尊重できる大切なポイントになります。

 労働力不足を補うためというのはもとより、偏りのないアイディアを生み出し企業を成長させていくためにも女性の存在は不可欠です。生理をタブー視してきた、これまでの風潮を変えるのは簡単ではありませんが、ぜひ人事の方や社長が牽引して「真に女性が働きやすい会社」を目指していってほしいと思います。その時には、男女ともに「お互いを理解し合おうとする姿勢」を忘れずに…。 

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