ストレス社会に必要不可欠?!アサーティブなコミュニケーション~メンタルヘルス対策~
ストレス社会と言われる現代に生きる私たちは、自分でも気づかないうちにストレスを溜め込んでいることがあります。
それは日々のコミュニケーションという小さなものからでも生じます。
たとえば、「言いたいことがあるのに言えなかった」「自分を隠して相手に合わせてしまった」という経験は誰しもあるのではないでしょうか。自分の思っていることや感じていることをうまく自己表現できないとストレスになります。
今回はセルフケアの一つとして、そういったコミュニケーションによるストレスに有効なアサーティブについてご紹介いたします。アサーティブを知っているのと知らないのとでは大きく違います。
ぜひこの記事を読んで多くの人にアサーティブを知っていただけたらと思います。
アサーティブとは?―自己表現の3つのタイプ
アサーティブとは、自己表現方法の一つです。自己表現には大きく分けて3つのタイプがあるとされ、その中でアサーティブは自分も相手も尊重する方法です。
自己表現の3つのタイプ
自己表現のタイプ | どういうタイプなのか | 自分と相手の状態 |
アグレッシブ (攻撃的/主張型) | 自分のことをまず考え、時には他者を踏みにじる | 私はOK.、あなたはOKではない |
ノンアグレッシブ (消極的/非主張型) | 自分より他者を優先し、自分は後回しにする | 私はOKではない、あなたはOK |
アサーティブ | 自分のことも大切にし、他者にも配慮する | 私もOK、あなたもOK |
アグレッシブタイプのように自分の意見を押し付けてしまうと、相手を委縮させてしまったり、自分の立場によっては相手にパワハラと捉えられてしまったりする可能性もあります。
一方、ノンアグレッシブタイプは、自分を抑圧するため鬱屈した思いが溜まっていきます。
アサーティブは、一方の主張を通すのではなく客観的に物事を捉え、お互いを尊重し、WIN-WINの結果へ導くことができる理想的な自己表現方法です。
なぜアサーティブが難しいのか
・自分がどう思っているのか、どう感じているのかわからない
いざアサーティブを実践しようとした時、そもそも自分の感情や伝えたいことが何なのかわからないということに気が付き、戸惑う方がいるかもしれません。
自分の気持ちがわからなければ伝えようがありません。人間は表現しない気持ちはだんだんと忘れてしまうものです。
私たちは、親に自分の気持ちを受け入れてもらえなかった経験や、学校で先生の態度・言動に接し、社会で一般に良いとされているものに合わせているうちに、素直な自己表現をしなくなり、結果的に自分の正直な気持ちを忘れてしまいます。
まずは自分の感情を取り戻すこと。今自分が嬉しいのか、悲しいのか、どうしたいのか、ちゃんと言葉にすることです。
自分の感情を大切にすることは、自分の個性を大切にすることと同じことです。
日々感情を意識することで、だんだんと自分らしさというものがわかるようになってくるはずです。
・相手がどう感じるのか、結果や周囲を気にしすぎる
相手がどう感じるのかを気にしすぎると、自分の意見を言えなくなります。
しかし、自分を押し殺して相手に合わせていては、鬱屈した不満やわかってもらいたい欲求を抱えることになる上、相手との信頼関係も築けません。
相手がどう受け止めるのかというのは相手の問題。自分の思っていることを伝えることとは別問題です。自分の意見を伝える→相手の思いを聞き尊重する→ベストな結論を導く・・・そんなコミュニケーションをイメージすることがWIN―WINの関係性には重要です。
アサーティブに自己主張をするために
・「Iメッセージ」で考える、伝える
上記で述べたように、自分の気持ちを相手に伝えるためには、自分の気持ちを明確にする必要があります。
自分の気持ちを捉えるのに有効なのが、「私は」と主語をつけて文章を言う「Iメッセージ」。私たちは、ある出来事に対して客観的事実と感情を分けず、ごちゃ混ぜにしていることが往々にしてあります。
しかし自分の気持ちを明確に理解するためには、事実と、事実に対して「私は」どう感じているのかをしっかり分ける必要があります。そうすることで、自分自身を冷静に見つめ、自分の感情を受け止めやすくなります。
また、この「Iメッセージ」は相手に伝える際も有効です。
「あなたは」を主語にする「You メッセージ」は、相手を責める言い方になりがちです。
「私は」こう思った、「私は」こうしてほしいという表現の「Iメッセージ」で伝えることで、感情的にならずに自分の気持ちを伝えることができます。
・「言わない」という選択もある
アサーティブの重要なポイントとして、「自己責任」という要素があります。
アサーティブなコミュニケーションのためには、自分の言ったこと、言わなかったことに責任を持つことが大切です。
「言わない」選択をすることは、自分で「言わなかった」状況の責任を負うことになります。ここでも大切なのは、「言わない」選択をする際には、しっかり自分がその選択をしたと意識をすること。
「言いたいことがあるのに言えなかった」場合とは異なり、自分で選択したと考えれば、理不尽さを感じることもなくなり、ストレスを感じにくくなります。
アサーティブであることとは
アサーティブであることは、全ての人との関係がよくなることではありません。アサーティブな態度を取ることで、相手との関係に波風が立つこともあるかもしれません。
しかし相手との関係悪化を恐れて思っていることを言わなかったりすれば、お互い分かり合うことはできず、それ以上の関係は結べません。また建設的な議論は望めず、様々な立場の人の意見を取り入れた、より良い結果を得ることもできないでしょう。
アサーティブであることは、結果的には自分にも、相手にも、さらには会社にとっても大きなメリットをもたらしてくれることなのです。
ぜひ今回の記事を参考にアサーティブを実践していってください。
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